世界で最も過酷な昇格争い
JFLに上がるための最後の高い壁
上に行ったクラブ関係者は口を揃えて言う「もう二度とやりたくない」
それが地域チャンピオンズリーグ(地域CL)である
その地域CLの決勝ラウンドが11月24日~11月26日に千葉県市原市のゼットエーオリプリスタジアムで行われました
1次ラウンド3日連戦、決勝ラウンド3日連戦、JFL昇格権を得るのは12チーム中たったの2チーム
それが地域CLな訳ですが、遂に決着!
なんと同じ東北リーグ所属で我らがブランデュー弘前の一番の強敵であったコバルトーレ女川が優勝!
そして九州リーグ所属のテゲバジャーロ宮崎が2位!
この2チームがJFL昇格を決めました!!!
いやーネット中継で見てましたけど凄いですね・・・緊張感ハンパないって!
でも来年は我がチームもこの舞台に・・・というJを目指す地域リーグ以下のチームにとっては憧れと恐怖の対象でもあります
そんなわけで少しレギュレーションが変わる地域CL、全社、そして王者が卒業した東北リーグとブランデュー弘前を考えてみたいと思います
ざっくり学ぶJリーグへの道
まずざっくりとJリーグへの道のりを解説してみたいと思います
第1種日本サッカーの構図
まず『Jリーグ』とは日本のプロサッカーリーグのことです
『Jリーグ』は3つの階層に分かれていて、J1、J2、J3をリーグ戦の成績に応じてチームの降格昇格を行っております
よくピラミッド構造と言われますが別に下に行くほどチーム数多かったり地区分割されているわけでもないので階層式ってのが正しいかと思います
プロサッカーリーグがあるということは当然アマチュアサッカーもあるわけで、こちらは完全にピラミッド構造です
アマチュアリーグトップのJFL、その下に9地域からなる地域リーグ(1部制と2部制アリ)、その下に47都道府県(場所によって4部くらいまであるところもある)と裾野の広がりは本当にすごいですね
図解作ってみました
日本のサッカーリーグ(1種)は基本的にすべてこの降格昇格で繋がっているわけです
そこら辺の草サッカーチームでも強くなって条件さえ満たせばJリーグ!夢がありますねぇ!
最大の関門・JFLの門番と地域CL
ここで問題になるのがアマチュアリーグであるJFLからJ3への昇格と地域リーグからJFLへの昇格の関門である地域CLであります
JFLからJ3への昇格への条件としては
- JFL総合順位で成績4位以内に入り、尚且つ百年構想クラブ内で2位以上
- 百年構想クラブの資格
- J3ライセンスの所持(収容人数5000人以上のホームスタジアムがある・ユースチームの所持など
- 平均動員数2000人以上
以上の条件が必要になります
門番とか色々とあるんですがここでは割愛します
問題は地域チャンピオンズリーグです
元々は地域決勝大会(地決)と呼ばれていた大会ですが去年から地域CLと名称を新たにしました
要するに地域リーグからJFL昇格チームを決めるための大会なのですが、9地域12チーム参加から毎年2チームが昇格権を得るという狭き門です
今年のレギュレーションだと北海道・東北・関東・北信越・東海・関西・中国・四国・九州の9地域で優勝した9チームと全国社会人選手権(全社)の3位までの3チームの12チームが出場権を得るリーグ戦になります
しかし欧州のCLとは違い、このリーグ戦は1次リーグ3日間+決勝リーグ3日間で行われる超過酷な短期決戦です
90分5人交代制で90分勝利で3点、90分敗北で0点、勝利引き分けならPK戦を行いPK勝利2点、PK負け1点の変則ルールでのリーグ戦となります
4チーム×3の一次予選の1位通過3チームと2位で一番勝ち点・得失点差が多いチームの計4チームが決勝に進み、決勝も上記と同じルールでのリーグ戦を戦い抜き、上位2チームがJFL昇格権GET!
実力と運をすべて使い果たさないと勝ち抜けない、そんな大会なのです
今年の地域CLの結果
上記の通り、コバルトーレ女川とテゲバジャーロ宮崎が昇格することになりましたが、全社を含めて結果を見ていきましょう
全国社会人選手権
全社とは全国の地域リーグ以下のアマチュアチームが5日連戦で挑む過酷すぎるトーナメント戦の戦いである・・・
キツいってレベルの話じゃない!!!
しかしリーグ優勝を逃したチームにとっては唯一の敗者復活戦となるので地域CL出場権を持たないチームは死ぬ気で挑むし、権利持ちでも過酷な連戦を戦い抜く経験を積めるチャンスとなるのでどっちにしろ激戦必須です
この大会の本戦に挑めるチームは地域予選大会を勝ち抜くことが必要になります
地域ごとの出場枠の配分は
- 各地域リーグから1チームずつ=9チーム
- 前年度(2016年度)各地域の全社連登録数の比率で22チームを配分
- 開催県から1チーム(今回は福井県)
・・・という感じになっておりまして、例えば東北だと2枠が振り分けられ、東北1部リーグ10チームと東北6県の予選を勝ち抜いた6チームの計16チームを2ブロックに振り分け3日連続のトーナメントを行い、それを勝ち抜いた2チームが本戦に進めます
なお我がブランデュー弘前は2年連続でいわきFCとぶつかり予選敗退しました・・・(´・ω・`)
そして各地域を勝ち抜いた32チームがトーナメントで死闘を繰り広げる全社、40分ハーフで延長なし即PKの大会となります
今年の結果がこちらです
優勝:鈴鹿アンリミテッド(地域CL権利持ち
2位:松江シティ
3位:VONDS市原(地域CL権利持ち
4位:TIAMO枚方
以上の結果になりました
詳しくはこちらのブログさんの記事でどうぞ
ベスト3のうち、権利持ちが2チームでた場合、4位が繰り上げで地域CL権を得ることになり、もう1枠は輪番制で指定された地域リーグ2位に権利が舞い込みます
今年は東海地区に優先権があったため、東海2位の刈谷FCが地域CL権を得ることになりました
地域CL 一次ラウンド
全社が終わり、地域CL出場12チームが決まりました
抽選の結果このように振り分けられ、赤字のチームが予選突破しました
- Aグループ(栃木)
松江シティFC
VONDS市原FC
サウルコス福井
鈴鹿アンリミテッドFC
- Bグループ(淡路島)
三菱自動車水島FC
FC TIAMO 枚方
アミティエSC京都
高知ユナイテッドSC
- Cグループ(鹿児島)
コバルトーレ女川(WC)
FC刈谷
テゲバジャーロ宮崎
十勝FC
コバルトーレ女川は予選2位でしたが勝ち点6、得失点差+8でワイルドカードにより決勝進出です
地域CL決勝ラウンド
決勝の結果はこちらです
- 1位 コバルトーレ女川
勝点7/得失1/総得点4 - 2位 テゲバジャーロ宮崎
勝点6/得失1/総得点5 - 3位 VONDS市原FC
勝点3/得失0/総得点2 - 4位 アミティエSC京都
勝点2/得失-2/総得点1
詳しくはこちらのブログさんのまとめが素晴らしいです
というわけでコバルトーレ女川、テゲバジャーロ宮崎の昇格内定となりました
コバルトーレ女川は東北はレベルが低いから無理()とかサッカー玄人()の方々の下馬評を覆しての優勝、いやー本当に凄いことです!
同じ東北リーグとしては誇らしくも羨ましく、そして東北でもこれだけのチームを仕上げればJFL行けるんだという希望も感じますね
まぁ実際に動画配信でみたり成績表みてると実力差は殆どない印象でした
それ故に一発勝負の恐ろしさがある・・・恐ろしい大会です
VONDS市原なんて90分負け一度も無いのにね・・・無念でしょうこの結果は・・・
2018年地域CLのレギュレーション変更について
そんなわけで以前から噂されていた全社、地域CLのレギュレーションが変更になりました
1 JFA・J リーグ将来構想委員会 JFL・社会人リーグワーキンググループの件(pdf)
本協会及び一般財団法人全国社会人サッカー連盟の主催する全国社会人サッカー選手権大会
(以下「全社大会」)及び全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(以下「地域 SCL」)を、
2018 年度より以下の通りの方針にて開催規程を変更する。
全社大会から JFL へ昇格可能な「いわゆる飛び級」について
JFL に昇格するチームは、全社大会の成績ではなく、9 地域リーグの成績を優先されなければ
ならない
(1) 地域 SCL の参加資格について(12 チーム)
① 各 9 地域リーグの 1 位チーム
② 全社大会4位以内の上位 3 チームのうち、各 9 地域リーグの 2 位又は 3 位チーム
③ 9 地域リーグ各 1 位以外で JFL 入会を希望するチーム
④ J リーグ百年構想クラブチーム
⑤ 12 チームに満たない場合の地域輪番チーム
(2) 大会の位置づけについて
<全社大会>
社会人チームによるカップ戦としての日本一決定戦
<地域 SCL>
9 地域最上位リーグチームによる、リーグチャンピオンとして日本一決定戦
(3) 大会日程と試合出場選手数の変更について
選手の疲労を少しでも軽減でき、日本一を決定する大会として以下の通りに大会形式を変更
する
<全社大会>
① 日程は現状を継続するが、7 名の交代要員から5名の交代枠に拡大(現状 3 名の交代枠)
② 1回戦から 3 回戦(準々決勝)に限り、延長戦を廃止し、PK 方式を導入
<地域 SCL>
① 7 名の交代要員から 5 名の交代枠に拡大(現状 3 名の交代枠)
9 地域 L 全社大会 JFL 百年構想 地域輪番 変
更
前1 位 最大 3 チーム
(4 位以内)希望しなくとも
出場可J リーグ百年
構想クラブを
優先12 チームに満
たない場合変
更
後1位
+「2 位、3位」希望のみ出場可 JFL 入会希望
チーム優先報告事項
2017/12/7 第 11 回理事会
② 1 次ラウンド 3 試合日を連戦可能とするが、決勝ラウンドは 3 試合日に中日を加えて連戦
を回避する
つまり・・・どういうことだってばよ?
まぁ何が変わったかというと・・・
9地域優勝チーム+全社上位3チームという原則は変わらないんですが、全社枠で地域CLに行けるのは地域リーグ1部の2~3位のチームのみと変更されました
つまり、地域リーグ4位以下や2部リーグ・県リーグのチームは全社優勝しようと地域CL出場できません
う~ん、露骨な飛び級つぶしですなぁ・・・
そして地域CL出場できるのはJFL昇格を希望するクラブのみと変更されました
アマチュアチームだとJFLは負担が大きすぎるから昇格はしたくないけど地域リーグの最強決定戦である地域CLで戦いたいというクラブとかが出れなくなるという感じですね。例えば今年だと三菱自動車水島FCがそうでした
要するに地域リーグのチャンピオン決める大会ではなくJFL昇格決定戦になるということです
そして3連戦×2の過酷なレギュレーションがついに緩和、決勝の3試合が中1日入ることになり、水・金・日の日程で行われることになります
選手にはかなり嬉しい変更かと思われますが、サポーターや観客的には平日観に行けないという嘆きは多いかもしれません
個人的には弘前に不利な要素は特にないかなと思うのでいいんじゃない?という感じですが、アマチュアサッカー愛好家の方々にはかなり不満な声も多いですね
地域CL、アマチュアサッカーに関して個人的に変えて欲しいと思うこと
変更点に不満があるわけじゃないですが、個人的にはソコジャナイ感が強い変更でした
私が思うに地域CLの過酷さの根本的な部分は地域リーグ(1部)所属クラブ約90チームから2チームしか昇格できない狭すぎる門がおかしいと思うんですよ
というか日本アマチュアサッカー界最大の問題だと個人的に思ってるんですけどね・・・9地域から一気に全国リーグって無茶では・・・?
他の国がどうなってるかを調べてみますとイタリアとかはセリエA~セリエCは1リーグ、そこから下は2地区ディビジョン、さらに9地域ディビジョンとワンクッションあるんですね
なのでJFLがエクスパンション、要するに2~3地域分割で拡充かJFL2部創設で2~3地域の構成になってくれたらいいのに、と思うんですよ
JFLもJFLで歴史あるアマチュアサッカーリーグだというのはわかってますが融通聞かなくてアマチュアチームに負荷かけすぎじゃないですか?と言いたいところはあります
Jリーグ昇格審査リーグという意味ならそれでいいでしょうけど、アマチュアサッカー最高峰が厳しすぎてアマチュアサッカークラブが解散とか本末転倒すぎるような、と思うんですよね・・・
それともう一つ、地域CL1次ラウンドのワイルドカードシステムですね
現状、2位で最高の成績収めたクラブが決勝進出というルールですが、事実上1弱がいるグループがいかにフルボッコして得点差を稼ぐかの勝負になっており、所謂『死の組』が発生したグループは強豪が集まったのに接戦なのでワイルドカード対象外になる現象が起きるわけです
これも色々と経緯があってこうなったらしいですが、地域リーグの2位にも差があるという意見もわかるので4グループ16チーム出場で地域リーグ2~3位が地域CL進出プレーオフ大会とかやってほしいなぁと思ったりしたりします・・・無茶言ってるのは承知ですけどねw
来年のブランデュー弘前と東北リーグはどうなるのよ?
そんなわけでこの地域CLの結果とレギュレーション変更がブランデュー弘前にとってどうなるかを考えてみましょう
コバルトーレ女川が東北卒業して来年の東北リーグ1部はどうなる?
上記の通り、最大の敵であったコバルトーレ女川がJFL参入決定したことにより東北リーグの編成が変わることになります
通常下位2チームは東北2部に降格ですが女川昇格で卒業したことにより9位が残留決定となります
なので来年は以下の10チームが東北1部リーグで戦うことになります
- 富士クラブ2003(岩手)
- ブランデュー弘前(青森)
- 新日鐵釜石(岩手)
- 盛岡ゼブラ(岩手)
- FCプリメーロ(福島)
- バンディッツいわき(福島)
- ガンジュ岩手(岩手)
- メリー(福島)女川昇格により残留
- いわき古河FC(福島)2部南優勝昇格
- 秋田FCカンビアーレ(秋田)2部北優勝昇格
すごく・・・福島&岩手リーグです・・・
でも秋田カンビアーレが上がってきたのでアウェイ遠征行く機会は増えそうです!よかった・・・まぁ秋田市はかなり遠いんですけどね!車で3時間!!!
しかし福島多すぎるのどうなってるんですか・・・次も間違いなく福島上がってくるし・・・ウチのアウェイ遠征費用がヤバいわ・・・
弘前の日程やその他の大会はどうなりそう?
東北リーグ開幕戦は慣例として前年の1位2位のクラブが昇格してきたクラブを迎え撃つ形になりますので女川昇格の繰り上げにより弘前は開幕ホームでいわき古河か秋田カンビアーレと戦うことになりそうです
正式に開幕戦の日付は決まってませんがGW中のホーム開幕戦になりそうです(まだ桜残ってる時期にやって欲しい・・・
まぁ見て分かる通り本命不在、千載一遇の好機です!!!
今までは圧倒的な成績を誇った女川が居ましたので1つ取りこぼしただけで優勝が遠のく東北リーグでしたが混戦の予感がしますね・・・
まぁ問題はウチの監督がどうなるかとどう選手を補強できるかですよ
ここをしっかり優勝して、そして地域CLで戦えるチーム作りを1年でやるのは本当に大変だと思いますが、やらねばならぬのです
なんといっても2019年には確実にいわきFCが上がってきます故・・・(飛び級チャンス無くなったのでほぼ確実
再来年東北リーグ自体がどうなってるかはわかりませんが、来年は本当にチャンスなので補強頑張ってほしいし、サポもがんばらないとね!
あと3月に八戸で天皇杯予選と夏には全社東北予選もありますね
特に夏の全社予選ですが、来年こそ福島県代表と違う山になるといいなぁと・・・(遠い目
まぁいわきFCに勝てるようにならなきゃ地域CL突破なんて夢のまた夢ですけどね、強くならねば・・・!
そのためにも早くいい監督さんが決まってほしいものです・・・
まぁJリーグ、JFLがあらかた決まってからになるんでしょうかねぇ・・・選手の更新情報もまだなので気になりますね
来年は選手個人横断幕も作りたいので早く情報が欲しいところだったりします
まとめ
そんなわけで色々とドラマと変化があった地域CLですが、問題も山積みだし参加するだけでも難しい大会ですが憧れでもあります
来年もまた様々なドラマが生まれるであろう地域CL、その舞台にウチの選手達が立てる日を信じて来年も頑張りたいものです
頑張れブランデュー弘前!!!
コメント